古来から生活と産業を支えた金属製品加工技術

    人類が火を使って金属を溶かし加工するようになったのは、民族どうしの戦いが起こり出してからの事です。戦うための道具に必要な金具(矢尻)や、食料調達に必要な狩猟用の道具などに使われていました。

    18世紀の末より起こった産業革命で、金属板を製造する加工が飛躍的に進歩することとなりました。圧延機による多量生産が可能となり多種多様な加工が自由に出来ると同時に、軍需工場などが発達しました。


 

 

 

 

 

私達の生活を豊かにした金属製品加工技術

    この時期、飛躍的な機械化の発達により加工用諸機械で成形・接合・圧縮・分離・せん断等の加工技術が発展しました。これらの技術により私達の生活にも金属加工製品が身近になったのもこの頃からです。

    金属の板を加工した代表的なものをあげると、生活用品ではスプーン、鍋、フライパン、建築関係では構造物、建造物、各種機械、器具などの製品の製造。自動車や航空機、高層建築に使われる大型の部材、部品を製造するようになり、生活を豊かにする原動力の一つとなりました。

金属加工技術の代表的技術であるプレス加工

    金属加工技術の種類には細かく分けると、「曲げ」「コルゲート加工」「フランジ加工」「矯正・形状の回復」「型打ち」「へら絞り(スピニング)」「押し抜き」「伸張による限定された長さの金属の加工」などの金属加工を適用して「成形」「接合」「分離」「矯正」などを行うことによって金属製品となります。

    これらの加工技術の代表的なものがプレス加工技術です。

プレス加工とは?

    往復圧縮動を主とするプレスなどの加工機械などを用い、金属材料に「塑性変型」を加え、「成形・接合・分離・矯正」等を行うことをいう。

塑性加工とは?

    変形しやすい金属材料の性質をうまく利用して、自由自在に思い通りの形状に成形する方法。金属材料に力を加えることにより材料内部より応力が発生し、徐々に歪みながら変形し塑性域に達して力を取り去ると、応力が無くなり歪んだ箇所はその形状を維持する。


「絞り加工」は狭義の意味での成形といわれています

    金属材料から望む形状・材料の製品を作ることを広くプレス成形や成形と呼ばれています。板材(条材)を型曲げ、カール曲げ、ねじりなどの曲げ加工や深絞り、しごき、張出し絞りなど深絞り(エンボス)加工、フランジ成形加工など、他の成形加工のように元材料(板材・条材)としての形状を維持しながら外観を変更するような加工法は【狭義の意味での成形】といわれています。

    同様として棒材(管材)・線材などからも成形によって各種製品を作ることが出来ます。


※プレス加工の類型を表した図があるので、参考の為にご覧になって見て下さい。

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